2010年12月31日金曜日

浜浦小 話し方

どの学年の授業を見ても、児童の話し方がよく鍛えられているという印象を受けました。

自分の考えを相手に伝えるために適切な声の大きさで話すことができていました。

相手を意識した「つなぎ言葉(まず、つぎに、さいごに)」や「確認の言葉(~ですよね。ここまではいいですか)」が使えていました。

これは日頃からの訓練の賜だと考えられます。

そう考えた理由は各学年の教室にあった学習の進め方についての掲示物にあります。

「書く」・「聞く」・「話す」について、それぞれの発達段階に応じて目指すべき姿が示されており、様々な場面でこの目標に向かっての指導が行われているものと思われます。

前任校で読み・書き・計算などに学年ごとの細かな数値目標を立てることについて、校内研究で取り組んでいたことがあります

教科の学習を進めるに当たって、その土台となる力を系統立てて指導することが必要と考えたからです。

うちの学校でもそういうことが必要なのかも知れません。

前任校で作った資料をひもとく冬休みです。

2010年12月29日水曜日

算数の研究会に参加してきた

 12月26日(日)新潟で算数の研究会に参加してきました。
 研究会のテーマは「算数を愉しもう」です。
 このテーマを軸に浜浦小教員、筑波大学付属小学校の教員による授業が公開されました。
 特に、授業場面として扱われていたのは、「話し合い活動」の場面です。
 既習事項を活用して問題解決に当たるような課題が設定されていました。
 この部分は本校の研究でも柱として考えている部分であり、参考にできる取り組みが随所に見られました。

(1) 隣同士の話し合い
 浜浦小学校で参観した授業で特に多く見られたのは、隣同士の話し合いです。
 例えば、次のような場面で取り入れられていました。

・自分の考えを伝える
・全体で発表した友だちの考えについて解釈する
・自分がわかっているかどうかを評価する

 授業を参観した6年生の担任は、隣同士の話し合いについて次のようにねらいを語っていました。

「自分の考えを、隣同士という小さなコミュニティで考えをすりあわせ、自信を持ったり、修正したりする。」

 この後に続く全体での発表へのステップとしてペア学習を行、一般的なやり方だと思います。

 また、その後、2、3時間目に授業を参観した筑波の教員も隣同士の話し合いを一時間の中で何度も取り入れていました。
 例えば、全体の場での発言について隣同士で再現させたり、発言を途中でストップさせてその続きを隣同士で考えさせたりといった具合に、です。
 隣同士の話し合いが発言を全体のものにしたり、良い考えを共有したりすることを目的にして行われていました。
 私自身、こういったねらいで隣同士の話し合いを使ったことがなかったので、おもしろい方法だと思いました。
 隣同士の話し合いは短時間で手軽に行うことができます。
 授業への全員参加という視点から使えそうな技術だと思いました。
 いずれにしても、授業で子供たちに何かやらせるからには、その目的がは何か、教師が明確な意図を持つことが大切だと考えました。

2010年12月27日月曜日

ガンズ~エアロ~ストーンズ

中学校の時、GUNS N' ROSESというロックバンドが好きでした。
とってもスリリングでカッコイイバンドでした。

当時、BURRN!という音楽雑誌をよく読んでいました。
Hard RockとかHeavy Metalの専門誌です。

そこの編集長がこんなことを言っていました。
「最近の若い者は好きなバンドに影響を与えたバンドを遡って聞くことをしないからダメだ。」

それを読んで素直な中学生の私は、
「そうか、影響をたどっていかなくてはダメなんだな。」
と素直に考えました。

そこで、ガンズがカバーをしているという理由からAerosmithを聞きました。
Aerosmithがデビュー当時にRolling Stonesと比較されたときけば、Stonesを聞きました。
このほかにも「カバーをした」、「影響を受けた」、「気に入っている」等々の
発言があれば、極力たどるようにしました。
Nine Inch NailsもNWAもTHUNDERもガンズからたどり着きました。

音楽を例にしましたが、読書についても同じ態度でいますし、
仕事上のことでも尊敬できる先輩の影響はたどるように心がけています。

さて、結局、何が言いたいのかをまとめます。
「これが好き!」で満足していると、その周辺に広がる価値あるものたちが見えないですし、
周辺の広がりを知ることで、そのものの本質も見えてくるということです。

「これは!」と思うものについては、その周りを探ることでその価値を実感できます。
また、そういうことをしないと、本当にわかったことにはならないのだと思います。

2010年12月26日日曜日

冬休み前までの振り返り作文

冬休み前までの振り返り作文を書かせました。
一人一人、きちんと自分に向き合っているなあと感じました。
これらの作文を読みながら、自分はどうだったのかと反省し、
新潟行きの飛行機の機内で冬休みの学習改善プランを練っていたところです。
自分を振り返るというのは、面倒だし、嫌なことも多くて避けたくなることもあります。
でも、その時、その時の自分を振り返るといろいろ見えることも気づくこともあって
大切だなあと思います。
前を向いて進みたいいつも思いますが、方向を誤らないためには通ってきた道を振り返ることも大切です。
ブログをまた続けようと思ったのもそんな理由です。
冬休み明けから卒業までの毎日は、四月から冬休み前までよりも、もっと、もっとよくなるはずです。
子供たちの振り返りから学ぶことはとても多いです。

■冬休み前までの生活を振り返って思ったことが二つあります。
 一つ目は、掃除についてです。素地は面倒だけど、やらなきゃいけない大切なことだと改めて思いました。
 二つ目は、書きそんじハガキを集める活動で、非識字の人が世界にはたくさんいることがわかりました。非識字の人が文字を読んだり、書いたりできるようになるために僕たちができることは、書きそんじハガキを集めること。そして、たくさん集めれば学校を建てられるんだと思った。(S)
★六年生の総合は視野を広く持って欲しいという願いがあります。自分たちができることが世界と繋がっている。また、誰かの役に立てることのすばらしさも実感して欲しいと思っています。

■冬休み前までの生活を振り返って思ったことが一つあります。
 それは、一つのことをみんなで成し遂げることが楽しく、素晴らしい!ということです。学芸会で、テーマが「カンボジア」になり、実は最初、「えーっ」と思うことがありました。
 しかし、みんなで役を決め、発声練習、動作とどんどん劇という一つのものを作り上げていきました。そうやっているうちに、すごく楽しくなっていき、最後に、六年生全員で通し、お客さんの前で見せた後の達成感は、素晴らしかったです。
 だから、また今度、こんなことがあったら、この経験を思い出し、みんなで全力で成し遂げたいです。(M)
★やっぱり「えーっ」って思いますよね。創作劇なんて先が見えないし、不安なものです。人それぞれ興味も得意なことも違います。そんなみんなが力を合わせることで成し遂げることで得られる喜びもまた良いものです。そんなことを実感して欲しいと思っていました。

■冬休み前までの生活を振り返って思ったことが一つあります。
 それは、いろいろな友だちが増えたことです。若葉と一緒になって友だちが増えました。
 最初は若葉と紅葉でわかれて遊んでいました。あんまり仲も良くなかったけど、今は仲がいいです。
 なぜなら、いろんな人の良いところがわかりあえたからです。これからも仲良く過ごしたいと思います。(S)
★人にはそれぞれ良いところも悪いところもたくさんあります。誰かの良さを見つけられる人はその人自身もすてきな人だと思います。

■後期を振り返って思ったことが二つある。
 まず、怒られてばかりだ。先生にみんないろんなことで怒られている。だから、怒られる前に考えようと思う。
 次に、すごく楽しかった。友だちも増えて、遊んだりするのも楽しい。今日もすごく楽しかった。またみんなと遊びたいと思った。卒業まであと少しだけど、毎日、楽しく過ごしたい。(O)
★みんなが楽しく、幸せになるために知らねばならないことがあります。そのために怒ります。親御さんたちもきっと同じ思いでしょう。今日もすごく楽しかった、この言葉がうれしいです。卒業まで毎日聞きたいです。

■冬休み前までの生活を振り返って思ったことが一つあります。 
 それは、劇のようにみんなで何かをなしとげられたら、うれしいことがわかったことです。達成感を味わうこともできたし、気持ちがすっきりしました。みんなで一つのことに向かって全力を尽くして一生懸命やるのはやりがいがあるなあと思いました。仲間の大切さをとても感じました。(H)
★いつも全力で一生懸命な人は美しい人です。みんなで力を合わせることで喜びも何倍にもなりますね。仲間の大切さを語るHさんの作文に感激しました。

新潟

本日、研究会参加のため新潟にいます。
昨日、札幌を発ちました。

雪の影響で飛行機が飛ぶか、飛んだとしても新潟に降りられるかが心配でした。
まあ、多少の揺れはありましたがなんともなくつきました。

ただ、風が強い。
以前、同じく冬に金沢に行ったことがあります。
その時は一発でたどり着けず、いったん飛行機が羽田に引き返しています。
そんなことを思い出しました。

研究会は算数の研究会です。
実は、自分「算数」が研究教科の会に参加したことがありません。
だから、とても楽しみにしています。
でも、頭の片隅には帰りも無事に飛行機が飛ぶかな、という心配が・・・。

飛行機の中で冬休み明けの授業の進め方について考えていました。
四月からを振り返って思うことは、いろいろ遠慮をしすぎていたのかなあと思うことです。
卒業まで短い期間ですが集中して取り組むにはいい長さかも知れません。
伝えられることをしっかりと伝えて卒業させたいです。

2010年12月25日土曜日

紙野球

今日から冬休みです。
夏休み明けから怒濤の毎日もここで小休止。
冬休みが明けたら卒業までジェットコースターのような日々が
再び始まるかと思うと体調を整えたり、準備をしたりしなくてはと思います。

昨日、学級でレクを行いました。
題して、年忘れ野球大会!
新聞紙を丸めたボールにガムテープを巻いた物をボールにして、
プラスチック製のバットで打ちます。
普通のボールよりも飛ばず、当たっても痛くないボールです。
クラス全員(欠席を除く)が参加しての野球大会でした。

この野球の発案者は平成16年の自分の教え子です。
彼は「紙野球」と言っていました。
「絶対に楽しいから!」という彼の熱意に負けてみんなでやってみたら、
本当に楽しかったことを覚えています。

昨日も楽しくできました。
女の子がけっこういいバッティングをするのがまたおもしろいのです。
普段、大人しい子がバーンとすごい当たりをしたり、
片手で座頭市のようにバットを持った子が外野まで届くヒットを打ったり。

もちろん、普段から野球をやっている子はかなりすごいです。
壁がなかったホームラン、という当たりを連発していました。

この紙野球、実はドッジボールよりも「みんなが」楽しめるのではないかと思っています。
打順も全員に回ってきますし、チーム競技なので全員が参加している感があります。
冬休み明け、またみんなでやりたいなあと思っています。
バットとボールを用意してくれたK君、有り難う。
またよろしく頼みます。

追伸
実は当初、二時間のレクを考えていました。
しかし、あまりにも生活面での指導が多く、一時間にしました。
子供たちは「鬼!」と思っているかも知れませんが、
自分たちがすべきことをせずに要求だけするのは違うと思っています。
筋を通さないのはダメです。

ということで、最後の時間は、後期の生活を振り返る作文を書きました。
一人一人の作文を読んでいると具体的な記述が多く、
自分のことをよく見つめていると感じました。

2010年12月24日金曜日

子供のネット利用について

1、ネット利用に注意
■冬休み中の過ごし方について学校からもプリントが出ました。
事故や怪我などに気をつけて、楽しい冬休みを過ごしてほしいと思います。

■もう一つ、注意していただきたいのがインターネットの利用についてです。
特に、子供たちがコンピュータや携帯電話でインターネットを自由に使える環境にあるご家庭は、子供たちと「ルールづくり」を必ず行って下さい。
コンピュータや携帯電話は便利な道具ですが、使い方や危険性を理解しないと思わぬトラブルに巻き込まれてしまいます。

■ネット上には子供たちに有害な情報がたくさんあります。
そして、それらの多くは、驚くほど簡単に手に入れることができます。
子供たちでもアクセスすることが可能です。
また、悪意のある大人たちもたくさんいます。
子供たちの様子を見ているとネット利用の技術の高い子供がたくさんいます。
しかし、そういう子ほど危険性の認識が甘いのではないかと心配しています。

■そこで例えば、
「ネットの利用は保護者のいるリビングで行う。」
「利用時間を二時間程度に制限する。」
「フィルタリングを設定する。」
「コンピュータにパスワードをかけて保護者のいない間はアクセスできないようにする。」
等の約束を決めて下さい。

■家で長い時間を過ごす冬休み、コンピュータや携帯電話を子供たちが自由に、好きに使える状態にだけはしないようにお願いします。

ブログをやっている子がポツポツいるようです。
先日、教室で「ブログをやることはいいが、情報を発信することの責任についても考えてほしい」と話をしました。
ネットは匿名性の高いメディアです。
ですが、名前がわからないからと好き勝手やっていいとは思えません。
自分で責任を持てない発言や誰かを傷つける言葉、確かではない情報の発信はすべきではありません。
誰かに見られて困るものや誰かに不快感を与えるようことは公の場では控えるのが常識です。
言いたいことがあるのなら正々堂々言うのが筋です。

2010年12月21日火曜日

大切にしたい言葉を選ぶ

1、自分の大切にする言葉

■教室で大切にしたい言葉というのを選びました。
日々をよりよく生きるための、また、壁にぶつかった自分を励ますための言葉です。
菜根譚や賢人訓、自分がこれまでに教えてもらった言葉などの中から選びました。
その子を思いながら選んだ言葉読むと、「納得!」と思うものばかりでした。
子供たち、自分自身についてよく見ています。
自分の考えていた以上でした。
ここで何人か紹介します。

■私が大切にしたいと思ったのは七つありました。
その中でも、「一日一日大切にすごそう」を大切にしたいです。
なぜなら、卒業まであと残り少ない日々をみんなと一緒に歩んでいきたいからです。
このクラスに出会えて本当によかったです。みんなで仲良くわいわいしたり、一生懸命勉強したりするのも、あと三ヶ月位したら考えられない時間なんだな、と思いました。(H)
▼この子は、とても勉強ができる子です。
みんなからもそのイメージで見られていたのですが、本当はイタズラや楽しく遊ぶことが大好きな子です。
教室でも休み時間の笑顔がとってもいいのです。
実は、この作文の内容は担任的にかなりうれしいです。

■私の好きな言葉は、「失敗をおそれずチャレンジしよう」です。
理由は、五年生のときに、失敗をおそれて、チャレンジできないことがあったからです。
でも六年生になって、五年生のときにできなかったことを、チャレンジしてみたら、以外に、簡単だったからです。だから私は「失敗をおそれずチャレンジしよう」という言葉が好きです。(K)
▼この子は、勉強中、とってもおとなしい子です。
この作文にあるように六年生当初、課題に取り組む時、慎重なのでいろいろと悩んで進まないこともありました。
最近は、自信を持って取り組んでいるなあと感じていましたが、作文を読んでそのわけが分かりました。

■僕がいいなと思った言葉は「謙虚な気持ちを忘れずに」です。
その理由は、いばらないで、素直にいたいからです。謙虚という言葉が好きです。(T)
▼野球少年団のキャプテンで、いつも周りには友達がたくさんいる子です。
彼の細かな行動を見ていると、さりげないところでやさしい心遣いをしている姿が見られます。
誰かに見てもらおうというのではなく、自然と体が動く感じです。
日頃から、こういう思いでいる彼なので周りに友達が絶えないのでしょう。

■私は、二つで迷っています。
一つ目は、「どうせやるなら楽しく、楽しく」か「できることからはじめよう」です。
迷っているのですが、どちらかに決めました。それは…。
「どうせやるなら楽しく、楽しく」です。
いやな気持ちでやるよりも楽しくやった方が、気持ちがいいと思ったから決めました。(O)
▼普段はとても大人しいタイプの子です。
よい友達に恵まれて、毎日を楽しく過ごしています。
教室で苦しい顔や辛い顔を見せることはないのですが、その基本がここにあります。

■「はずかしがらないで表現しよう」理由は、自分からなんでも表現できるようになりたいからです。(H)
▼よくぞ選びました。
私にとって、この子の学芸発表会の挨拶が今年のうれしかった出来事のベスト5に入ります。
少しずつ自信をもって毎日を過ごしている姿が見られます。

■ぼくは、「実はかんたんかも知れない」という言葉を大切にしたいです。
なぜかというと、ぼくは、難しく考えすぎて、よくわからなくなる時があるので、この言葉を選びました。
だから、次からは、難しく考えすぎないでやってみます。(K)
▼以前、作文や工作などに時間がかかっていました。
こういう気持ちで取り組んでいるからでしょうか、最近はぐっと提出が早くなりました。
自分にあった言葉を選べています。

■私が大切にしたいと思う言葉は、「失敗をおそれずチャレンジしよう」です。
私は、いやなことは、やりたくないなあとか、失敗するのが怖くて逃げたくなることがあるので、失敗するのが怖くなったりしたら、この言葉を思い出してがんばりたいです。(S)
▼これを読んで、そうだったのだなあ、と思いました。
でも、そこを乗り越えようという気持ちをもっていることを知って、とてもうれしく感じました。
全力でチャレンジを応援したいと思います。

■ぼくが一番、自分に必要だと思うことは、「転んだら、起きるだけ」という言葉と「恕」です。その理由は、いくら失敗してもそこでずっと転んでいたらだめで、すぐに起きてまた進めばいいと思ったからです。「恕」とは、思いやり。
だれに対してでも思いやりをもち、ずっと生活していけば、だれからも思いやりをかけられると思ったからです。(M)
▼今年、いろいろと悩みむこともありましたが、ある時期から気持ちを切り替えることに成功した子です。
自分の力で人生の行き方を決められたことは大きな財産だと思います。
この子がこういう言葉を、今、選んだことに、目頭が熱くなります。(年でしょうか・・・)


などというのが32名分あります。(昨日、欠席が2名あったので)
人は言葉で考え、行動します。
言葉はとても大切です。
子供たちには自分にとって大切な言葉を選ぶことで、
自分自身の生き方を振り返ってほしいと思っています。
そして、選んだ言葉を大切にすることでよりよく生きてほしいのです。

2010年12月20日月曜日

ウォーク・ディス・ウェイ→お説教

私のブログ、タイトルを「walk this way」と言います。
ちなみにURLはこちら↓
http://kazuhiko3.blogspot.com/

「walk this way」はもちろん、エアロスミスの曲名からとりました。


この曲が好き、というのはもちろんですが、
邦題が「お説教」というところが最大の理由です。

今日は朝から一日、「walk this way」、「walk this way」、「walk this way」…。
こんな日もあるけれど、続くのは嫌です、児童諸君。

2010年12月19日日曜日

脳科学から子育てを考える

1、脳科学から子育てを考える

■脳科学の話です。最近の脳科学における研究で、言語・論理・絵画・音楽など、人間の様々な基本的な知性を統合する機能をもち、人間を人間たらしめているのが、前頭連合野だということが言われるようになりました。

■ヒトの特徴である豊かな前頭連合野は、将来へむけた計画・夢・希望・積極性・主体性・幸福感など、自我を作る重要な脳領域です。
こういった「人間らしさ」をあらわす知能が前頭連合野で働くとされています。

■ここがうまく育たないと、「思春期挫折症候群」という障害を起こします。
思考と判断能力の低下、自己中心的、責任転嫁、思いやりの欠如、無気力、刹那的、憂鬱、被害妄想、行動障害(ルーズな生活・親や教師への反抗・暴力・登校拒否・中退・ひきこもり・非行・自殺)などの症状が思春期以降に現れます。

■その主な原因は幼少期の過保護・過干渉・無視・虐待であると言われています。
これらが前頭連合野の活動異常を起こすそうです。

■さて、では、この研究成果をどのように子育てに生かせばよいのでしょうか。元北海道大学教授で脳科学者の澤口俊之氏は、前頭連合野の望ましい成長について、次のようなことを推奨しています。

・愛情深い親子関係
・幼児の世話
・読書(特に音読)、算盤、暗算
・自然体験
・有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)

■また、澤口先生は、前頭連合野について、適切な社会関係を通して発達するとも仰っています。
衝突を恐れず思い切り子供たち同士で遊ばせることや喧嘩をして泣いた、そんな経験も大切なことかも知れません。

■冬休みは子供たちの前頭連合野を育てるには絶好の機会です。
普段、学校ではできない体験をたくさんさせてやってください。


2、冬休み学習ノートのお願い

■冬休み直前になってからで恐縮ですが、一人一冊冬休みの学習用のノートを用意して下さい。
学年の課題の他に二組の課題としてノート一冊の家庭学習を追加します。

■以前、札幌東高校を研修で訪問しました。
札幌東と言えば、有名な進学校です。
当然、学力の高い生徒が入ってくるそうですが、そのほとんどが塾による学習で家庭学習の習慣の無い生徒がほとんどだそうです。

■家庭学習で大事なのは自分の学習状況をモニターして、学習スケジュールの管理ができることです。
塾は短期的には有効ですが、家庭学習で自分自身の学び方を見つめる経験は長期的に考えるとぜひ身につけたい力です。

■ノートには、例えば、次のようなことを行って下さい。
漢字練習・教科書の文章の視写・計算練習・教科書の問題の復習・社会科の年表作り・重要語句の整理・理科の実験のまとめ・日記・新聞の切り抜きと要約など。
内容は各自が決めて構わないのですが、最低一日一ページページは進めて下さい。

■ノートの種類は問いませんが、確認をします。水曜日に一度、学校へ持たせて下さい。

脳科学から子育てを考える

1、脳科学から子育てを考える

■脳科学の話です。最近の脳科学における研究で、言語・論理・絵画・音楽など、人間の様々な基本的な知性を統合する機能をもち、人間を人間たらしめているのが、前頭連合野だということが言われるようになりました。

■ヒトの特徴である豊かな前頭連合野は、将来へむけた計画・夢・希望・積極性・主体性・幸福感など、自我を作る重要な脳領域です。
こういった「人間らしさ」をあらわす知能が前頭連合野で働くとされています。

■ここがうまく育たないと、「思春期挫折症候群」という障害を起こします。
思考と判断能力の低下、自己中心的、責任転嫁、思いやりの欠如、無気力、刹那的、憂鬱、被害妄想、行動障害(ルーズな生活・親や教師への反抗・暴力・登校拒否・中退・ひきこもり・非行・自殺)などの症状が思春期以降に現れます。

■その主な原因は幼少期の過保護・過干渉・無視・虐待であると言われています。
これらが前頭連合野の活動異常を起こすそうです。

■さて、では、この研究成果をどのように子育てに生かせばよいのでしょうか。元北海道大学教授で脳科学者の澤口俊之氏は、前頭連合野の望ましい成長について、次のようなことを推奨しています。

・愛情深い親子関係
・幼児の世話
・読書(特に音読)、算盤、暗算
・自然体験
・有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)

■また、澤口先生は、前頭連合野について、適切な社会関係を通して発達するとも仰っています。
衝突を恐れず思い切り子供たち同士で遊ばせることや喧嘩をして泣いた、そんな経験も大切なことかも知れません。

■冬休みは子供たちの前頭連合野を育てるには絶好の機会です。
普段、学校ではできない体験をたくさんさせてやってください。


2、冬休み学習ノートのお願い

■冬休み直前になってからで恐縮ですが、一人一冊冬休みの学習用のノートを用意して下さい。
学年の課題の他に二組の課題としてノート一冊の家庭学習を追加します。

■以前、札幌東高校を研修で訪問しました。
札幌東と言えば、有名な進学校です。
当然、学力の高い生徒が入ってくるそうですが、そのほとんどが塾による学習で家庭学習の習慣の無い生徒がほとんどだそうです。

■家庭学習で大事なのは自分の学習状況をモニターして、学習スケジュールの管理ができることです。
塾は短期的には有効ですが、家庭学習で自分自身の学び方を見つめる経験は長期的に考えるとぜひ身につけたい力です。

■ノートには、例えば、次のようなことを行って下さい。
漢字練習・教科書の文章の視写・計算練習・教科書の問題の復習・社会科の年表作り・重要語句の整理・理科の実験のまとめ・日記・新聞の切り抜きと要約など。
内容は各自が決めて構わないのですが、最低一日一ページページは進めて下さい。

■ノートの種類は問いませんが、確認をします。水曜日に一度、学校へ持たせて下さい。

2010年12月18日土曜日

ディスプレイの見過ぎに注意!

1、ディスプレイの見過ぎに注意

■今週の金曜日が終わると、楽しみな冬休みです。
教室では子供たちから、

「スキーのシーズン券を買いました。」
「おばあちゃんの家へ出かけます。」

など、すでに色々と予定が入っている様子を聞いています。
小学校生活最後の冬休みです。
普段出来ないことにたくさん挑戦して欲しいなあと思います。

■また、学校では、夏休みに続いて学習支援の日にちを設定しています。
家だと集中できなくて…、という子はぜひ登校させて下さい。

■さて、個人懇談の中で子供たちに共通して気になる話題が出ていました。
それはテレビやコンピュータ、ゲームといったディスプレイの視聴時間についてです。
懇談の中では、かなり長い時間、オンラインゲームやテレビを視聴している実態がわかりました。

■仮に一日に3時間ずつ毎日ディスプレイを見続けたとします。
すると、一年間で1095時間になります。
六年生が学校で行う授業の標準時数が980時間です。
学校で机に向かっているいる時間よりも115時間も多く、ディスプレイを見つめている計算になります。
また、テレビの視聴時間と学力の関係について鳥取県教育委員会が調査したデータもあります。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=69379

■ここで考えて欲しいことは、テレビやコンピュータ、ゲームを一律に禁止して欲しいということではありません。
ご家庭で子供たちとルールを決め、時間の管理をしてほしいということです。
冬休みは家庭で長い時間を過ごします。
無制限はいけません。
テレビやコンピュータ、ゲームなどディスプレイの総視聴時間を二,三時間程度に納めることを目標に子供たちと相談してみて下さい。

■さて、鳥取県教委のホームページにもう一つ興味深いデータがありました。
読書時間と学力の関係です。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=69338
こちらは長ければ長いほど学力が上がる傾向にあるようです。
冬休みはぜひたくさん本を読みましょう。


追伸
そういえば、うちのクラスの子たちが、
先生にブログからメールを送った、
と言っていたのですが、どこに送ったのでしょう・・・。

2010年12月17日金曜日

寺子屋の活動について



1、寺子屋運動の活動

■昨日(木曜日)総合的な学習の時間に寺子屋運動のボランティア活動を行いました。この活動について少しおさらいをしてみましょう。
■現在取り組んでいるのは、日本ユネスコ協会連盟が行う教育支援活動への協力の取り組みです。ご存じのように学芸発表会の劇もこのテーマを広く伝えるための活動の一環でした。世界の文字の読み書きが出来ない人をなくすために双葉小の六年生として、書きそんじはがきを五千枚集めることをゴールに設定しました。
■活動は複数のプロジェクトチームに分かれて行っています。チームの編成は一組と二組が合同で行っており、チームにはリーフレット配付・回収ボックスの設置・校内PR・地域への呼びかけ・マスコミの五つのチームがあります。写真は、リーフレット配付チームの活動の様子です。
■昨日は実際に街へ出かけ、自分たちのリーフレットを手に活動への協力を呼びかけました。   
■自分が行動を共にしていたリーフレット配付チームでは、子供たちの間でこんな会話が交わされていました。
「そんな配り方じゃ駄目だって。ティッシュ配りじゃないんだから。」
「もっと自分から積極的に声をかけなきゃ。説明をしなきゃわかってもらえないよ。」
■ちらしを配るという活動一つをとっても難しいものです。これまでに学習した知識や話すこと・聞くことの力を総合的に発揮しなくてはいけません。また、活動を成功させるためには、ここで取り上げたような会話をチームの中で議論し、共通理解を図っていくことが必要です。ただ活動すればいい、自分の思いを表現すればいい、ということではなくて、現状を分析し、より効果を高めたり、修正したりができる。六年生の総合でねらっているのは、こういった力なのです。
■校内に残っていたチームもそれぞれ精力的に活動していたようです。子供たちは学校の外とのつながりの中で活動に本気になってきました。成長には本気の学びが必要です。今後が楽しみです。

2010年12月16日木曜日

学力テストの日に思う

1、学力テストの日に思う

■学力テストが終わりました。今年は、理科と社会も加わった4教科の実施でしたので、いつも以上に子供たちは疲れたのではないでしょうか。さて、学力テストの目的は何でしょう。子供たちには、現時点での学習状況を振り返り、自分の実力や学び方を見直す機会にして欲しいと考えています。

■毎日を楽しく過ごすことは大切です。小学校でのよい思い出をたくさん作って欲しいと願っています。しかし、小学生には小学生の為すべき事があり、それをおろそかにしてはいけないと思っています。筋を通すことが大切です。

紀綱を正し、風俗を革(あらた)むるは、
これを擘頭(はくとう)と為す。

学生は学生らしく、社員は社員らしく、
先生は先生らしく、役人は役人らしく、
筋道を立てる。

筋を通すことが大事で、それを放ったらかしておいて、いろいろ膏薬貼りをやっても、それはダメである。
個人で言うならば、生活習慣です。
教育で言うなら躾です。

これを改めるのがまず「擘頭(はくとう)」、指で言えば一番大事な親指のようなこと、第一着手だというのです。まったくそのとおりであります。
「安岡正篤一日一言より」


2、子供たちの様子

■勉強のときには集中し、楽しむときにはわっと盛り上がれる。そんな子供たちであってほしいと思っています。先日、教室で行ったカラオケのイベントを行いました。みんなの前でこういう表現ができることも、それを温かく見守る学級の雰囲気も実は大切だと思っています。筋を通していれば、楽しいことも増えるものです。

★本日の総合の活動(ユネスコの取り組み)にテレビ局(HBC)の取材が入ります。放映は本日の夕方らしいです。夕方のテレビはHBCに注目してください。

2010年12月15日水曜日

家庭学習について

■昨日と今日、学校では、学力テストがありました。
ノートに重要語句をまとめたり、問題集に取り組んだりといった家庭学習をしてくる子が多くいました。
参考になる家庭学習を紹介します。

■社会科の重要人物を書き出し、主な業績をまとめています。社会科は覚えることが多いので、こうした努力が大切です。


■算数の教科書の問題をノートに解いています。小学校の勉強は教科書が基礎なのでこれも有効な方法です。

2010年12月14日火曜日

ブログと通信を続けようと思っていること

思うところがあり、ブログの更新を続けようと思っています。
誰かに見てもらうというよりも、
自分の考えていることを記録に残すためです。
無理矢理にでも続けようと思います。

同じく、学級通信もできるかぎり発行しようと思います。
高学年の子たち、学校で何があったかをあまり話さないようですし、
担任が教室で何を考えているかを知ってもらいたいからです。
担任に思いについては子供たちにも伝えたいという気持ちがあります。
通信は基本的に保護者向けに書いていますが、
子供たちも読んで、何かを考えて欲しいと思っています。

保護者懇談でクラスの子の作文のことを話題にしてくれたお母さんがいらっしゃいました。
通信を読んでくれているんだ、と嬉しく思いました。

2010年12月13日月曜日

アワ・レディ・ピース(Our Lady Peace)

カナダのロックバンド、アワ・レディ・ピース(Our Lady Peace)が好きです。
いい曲、をつくるなあと思います。

http://www.myspace.com/ourladypeace

2010年12月12日日曜日

冬の遊び道具について

1、冬の遊び道具

■十二月に入り、いよいよ寒い日も多くなってきました。今週は、特に冷え込みも厳しそうです。それでも元気な子たちは、今日も外で鬼ごっこなどをしています。雪が降っても、雨が降っても外に出かけたくてしかたがないようです。
■一方、教室で過ごす子供たちは、UNOやトランプなどのカードゲーム、オセロなどを楽しんでいます。室内の遊び道具が許可され、休み時間にそういったゲームで遊ぶ姿が増えました。
■休み時間のたびにUNOに興じているHさんは、「どうやったら勝てるかを考えているんです。」と常に作戦を考えている様子。さすが、頭脳派です。一緒に混じっても勝てそうな気がしません・・・。UNOを楽しむ女の子たちの輪はいつも楽しそうに歓声が上がっています。
■「トランプ持ってきたよ。」とカタカタ、カードをならしながら見せてくれたのは、Mさん。男女混じって楽しむ姿が印象的でした。やっていたのはババヌキかな。今度、「大富豪」をみんなでやりましょう。「やり方がわからな~い。」と言っていましたが、おもしろいですよ。
■誰が持ってきたのか、オセロも人気があります。教室の後ろの席では、オセロを囲んで黒山のような人だかりが。男の子がいたり、女の子がいたり。一組の子が対戦しているなんてこともあって、これもまた楽しそうです。
■自分が小学校の頃、教室ではメンコがブームでした。世間的にはそれほどでもなかったと思うのですが、私の通っていた学校では、局地的なブームが起きていました。別の学年の教室にも遠征してよく遊んでいました。遊びは、子供同士をつなげる大切な道具ですね。

2010年12月11日土曜日

心に太陽を持て

1、心に太陽を持て

■学芸発表会や学力テストに向けた取り組みなど、暗唱に取り組む間もなく十二月になってしまいました。今週と来週、二つの詩の暗唱に取り組みたいと思っています。まずは、ドイツの詩人フライシュレンの「心に太陽を持て」です。

心に太陽を持て   
   フライシュレン
   山本 有三(ゆうぞう) 訳

心に太陽を持て
あらしが ふこうと、
ふぶきが 来ようと、
天には黒雲、
地には争いがたえなかろうと、
いつも、心に太陽を持て。

くちびるに歌を持て、
軽く、ほがらかに。
自分のつとめ、
自分のくらしに、
よしや苦労がたえなかろうと
いつも、くちびるに歌を持て。

苦しんでいる人、
なやんでいる人には、
こう、はげましてやろう。

「勇気を失うな。
くちびるに歌を持て。
心に太陽を持て。」

■詩の創造的な読みの方法として、北海道教育大学教授の鹿内信善氏が、「オリエンテーション設定法」というものを提案されています。詳細は省きますが、詩(現代詩のような難解な詩)を読み解く際、詩の中にある抽象的な表現を自分の理解できる言葉に置き換えて詩の意味を理解しようというものです。
■みなさんにとって、「あらし」や「ふぶき」は何ですか。現代詩のように難しい詩ではありませんが、詩中の言葉を自分にとっての「あらし」や「ふぶき」に置き換えると(例えば、「先生のカミナリ」や「テスト」など)、詩が伝えようとしている内容が実感を伴って感じられます。単純に文字を読むだけでないこんな読み方もおもしろいものです。


2、かわいい写真が集まってきました

■先週、子供たちの小さい頃からの写真を集めていました。お忙しい中、何時間もかけて探してくださったご家庭もあったようです。本当に有り難うございました。
■どの子供の写真も本当にかわいらしく、大事に育てられてきたことが感じられるものでした。冬休み中に写真を修正したり、スライドにまとめたりしたいと考えています。まだのご家庭は冬休み前までにお願いします。

寺子屋運動への協力のお願い

ユネスコ世界寺子屋運動と子供たちの活動について
石狩市立双葉小学校
六学年担任
山本和彦

 世界には、教育の機会に恵まれず、文字の読み書きや計算が出来ない人が大勢(7億人以上)います。学校に通えず働いている子供や文字の読み書きが出来ないことで貧困のサイクルから抜け出せない子供がいます。双葉小学校では、このような問題を学び、自分たちができることを考え、行動する学習を総合的な学習の時間で実施してきました。子供たちは、日本ユネスコ協会連盟が行う世界寺子屋運動に協力する活動を進めています。

 世界寺子屋運動とは、日本ユネスコ協会連盟が行っている教育支援の活動です。この運動では、非識字者を支援するための活動として書きそんじハガキや切手、募金を集め、文房具を買ったり、子供たちの給食費をまかなったりといった活動が行われています。さらには、学びの場、寺子屋を建てることで学校の無い地域の教育の場所の確保する取り組みも行われています。現地の人たちとの話し合いを重ねながら、支援に頼らないプロジェクトの自主的な運営を目標に取り組まれているこの運動によって、これまで43カ国、73万人の人々に学ぶ機会が提供されました。

 現在、双葉小学校では、5000枚の書きそんじはがきを集めることを目標に、創作劇を作り学芸発表会(11月14日実施)で上演したり、広く地域の方々へ呼びかけたり、といった活動を行っています。世界寺子屋運動ならびに子供たちの活動へのご理解とご協力をお願いしたく思います。
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<活動への問い合わせ、書きそんじはがきの送り先> 
〒061-3214 北海道石狩市花川北4条3丁目1番 石狩市立双葉小学校
TEL:(0133)74-0494 FAX:(0133)74-4576
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2010年12月10日金曜日

落とした財布

ラーメン屋さんに落とした財布が無事、もどってきました。
よかった。よかった。
家に帰って、ほっとしていたとこに財布が無かったから、かなり焦りました・・・。

菜根譚と木曜日の教室

1、菜根譚(さいこんたん)

■「菜根譚」という書物があります。中国、明の時代の学者である洪自誠(こうじせい)が書いた書物です。儒教、道教、仏教の教えの中から、「人は如何にして生きるべきか。」を人々に話し聞かせるためにまとめたものです。
■この時代の中国は、役人は官位奉職を欲し、政治家は派閥争いに明け暮れ、国民は過酷な生活を強いられていたそうです。「菜根譚」は、そんな時代に生まれました。
■「菜根譚」は日本でも論語と並んで、古くから読まれている書物です。現代語訳されたものや独自の解釈を加えたものなど、多くの種類が出版されています。以前は探すのに苦労しましたが、最近はよく目にするようになりました。文庫本からビジネス書まで本当にたくさん。新聞やテレビを見ると目を覆いたくなるようなニュースばかりです。そんな世の中の空気が「菜根譚」を求めているのかも知れません。
■ある日、ふと立ち寄った本屋のレジで、かわいいイラストが書かれた表紙に「菜根譚」の文字を見つけました。キティなどのキャラクター商品で人気のサンリオが出版した「みんなのたあ坊の菜根譚」の本でした。
■株式会社サンリオの社長、辻信太郎さんは、この本のまえがきで「みんなのたあ坊の菜根譚」を出版した理由を次のように書いています。

 今回、サンリオでは子供を含めたすべての人たちに、平和と友情が如何に大切であるかを知ってもらい、みんなが思いやりの心を持ちながら助け合って暮らせる社会を作りたいという気持ちから、みんなのたあ坊の力を借りて、わかりやすい「みんなのたあ坊の菜根譚」を編集しました。

■子供たちには卒業に向けて、自分のお気に入りの、大切にしたい言葉を一つ見つけるように課題を出しています。その例として本書にある言葉を紹介しています。子供向けに編集してありますので、言葉も平易で分かりやすいです。日々をよりよく生きるための、また、壁にぶつかった自分を励ますための、そんな言葉を見つけて欲しいと思っています。


2、木曜の教室で嬉しかったことを紹介

■図工後、版画の削りくずだらけの教室を誰に言われるでもなく掃除をしていた、植木さん、七瀬さん、宮越君、中山さん、齋木さん、有り難う。ふと目にしたその姿がとても嬉しかったです。
▼熱を出して保健室で休んでいた内田君に給食やカバンを届けに行ってくれた元気な男の子たち、有り難う。弱っている内田君にとって何よりうれしいことだったでしょう。
▼何でもバスケットの罰ゲームを楽しくやってくれた将人君、村瀬君、太一君、有り難う。一日の終わりを笑顔で終えられることほど嬉しいことはありません。
▼自分を犠牲にして他人に利益を与えること、他人の幸福を願うこと、それを利他と言います。利他の持ち主が少しずつ増えていること、嬉しく思います。

2010年12月9日木曜日

レポート作文

1、社会科でも言語力を鍛える

■教育の世界では、この二、三年の間に「言語力の重視」ということがよく言われるようになりました。国語以外の教科でも言葉で表現する活動を多く取り入れるようになっています。この方向性は、来年以降、教科書が替わることでいっそう進みます。
■社会科で作文を書きました。作文は学習内容を振り返ったり、自分の考えを整理したりするのに最良の学習です。しかし、作文を面倒がる子も少なくありません。「私も子供の頃、作文が嫌いだったわ。」という方もいるでしょう。作文は、「型」を理解し、身につけることでぐっと書きやすくなります。以下に紹介する子供の作文には、作文の「型」が生かされています。見つけて、参考にして欲しいと思い、掲載します。


2、レポート作文から

■私が、戦争について分かった事は、戦争の悲しさです。
 一つ目は家族をなくす悲しさです。日本では、家族が戦争の被害にあい、家族をなくし、孤児になった子供たちがいるという悲しい事実が分かりました。私がもし、この子供の立場だったら、つらくてたえられず、自分から命をたっていたでしょう。だから、戦争には、反対です。
 二つ目は、食べ物が少ない悲しさです。戦争中、食べ物が少なくなってきている時、生きていくために必要な栄養をおぎなうため、衣服を食べ物にかえなければなりませんでした。が、戦争中なので衣服も少なく、十分に栄養を、おぎなえない事が現実でした。私は、朝食をとっても昼食前にお腹がすいてしまうので、食べ物がないという現実にもし、ぶつかってしまったら、一日もたたずに、餓死してしまうでしょう。
 このように、戦争とは悲しいものだと私は思います。嬉しい思いをする人も、確かにいると思うけど、色々
な人が悲しく辛い思いをするなら、戦争はしないほうが、私はいいと思います。(M)

★戦争を自分事として捉えた点が良いです。自分だったらという視点で書かれているので共感しやすいです。例示の順番は、入れ替えた方がよいです。例示の基本は、「小」→「大」、「軽い」→「重い」、「弱い」→「強い」です。(山本)

■日中戦争には、不自然な点がいっぱいある。その中で、一番不自然だと思うのが、日本のとった選択の数々だ。『不景気や生活に苦しむ人々がいるから、楽にしてあげよう。』という考えは良かったが、最終的に、戦争につながっている。これはなぜだろうか。
 一つ目に、『土地を手に入れると国民の生活は良くなる。』という考えがいけないと思った。
 二つ目は、満州事変だと思う。これは、今でいう、『自分の罪を人になすりつける。』という事で、これを国がやったかと思うと、とても信じられない。日中戦争は、これらがきっかけで起こったのだと思う。
 これからの日本は、一つ一つの行動に先を見通せば、二度と戦争は起こらないと思う。(I)      

★戦争の原因について自分なりの分析を加えている点が良いです。これからの日本の進む道についての意見もよく考えてあります。「こういう方法ができたのでは」といった代案を示せるとさらに説得力のある作文になります。(山本)

2010年12月8日水曜日

防雪林

1、社会科は上巻から下巻へ

■社会科は、上巻の学習が終わりました。来週の学力テスト後から、下巻に入ります。教科書の切り替えをする時期は、いつも忘れ物が増えます。時間割に社会科が入っている日は、教科書の確認に一声かけてやって下さい。
■さて、下巻からは、政治など公民分野の学習に入ります。歴史分野の終わりに際し、石狩の昔の様子が描かれた小説がありましたので、紹介します。蟹工船で有名な小林多喜二が書いた防雪林です。防雪林は、秋味(鮭)の密漁で石狩川の冬を凌ぎ、渾身の力で地主に抗う農民の若者を描いた未定稿です。
■当時の石狩川は洪水の多い川でした。泥炭地が広がる石狩平野は洪水の度に何日も田んぼのような状態になっていたと言います。百数十年前の先人たちの姿に思いをはせると、今の私たちの暮らしがとても有り難いものに思えます。


2、小林多喜二『防雪林』

 十月の末だつた。
 その日、冷たい氷雨が石狩のだゞツぴろい平原に横なぐりに降つてゐた。
 どっちを見たつて、何んにもなかつた。電信柱の一列がどこまでもつづいて行つて、マツチの棒をならべたやうになり、そしてそれが見えなくなつても、まだ平であり、何んにも眼に邪魔になるものがなかつた。所々ほうきのやうに立つてゐるポプラが雨と風をうけて、搖れてゐた。一面に雲が低く垂れ下つてきて、「妙に」薄暗くなつてゐた。烏が時々あわてたやうな飛び方をして、少しそれでも明るみの残つてゐる地平線の方へ二、三羽もつれて飛んで行つた。
 源吉は肩に大きな包みを負つて、三里ほど離れてゐる停車場のある町から帰つてきた。源吉たちの家は、この吹きツさらしの、平原に、二、三軒づゝ、二十軒ほど散らばつてゐた。それが村道に沿つて並んでゐたり、それから、ずツと畑の中にひツこんだりしてゐた。その中央にある小學校を除いては、みんなどの家もかやぶきだつた。屋根が変に、傾いたり、泥壁にはみんなひゞが入つたり、家の中は、外からちょっとわからない程薄暗かつた。どの家にももうしわけ程位にしか窓が切り拔いてなかつた。家の後か、入口の向ひには馬小屋や牛小屋があつた。
 農家の後からは心持ち土地が、石狩川の方へ傾斜して行つてゐた。そこは畑にはなつてゐたが、所々に、石のかたまりが、赤土や砂と一緒にムキ出しにころがつてゐた。石狩川が年一回――五月には必ずはんらんにして、その時は、いつでもその辺は水で一杯になつたからだつた。だから、そこへは五月のはんらんが済んでからでなくては、作物をつけなかつた。畑が尽きると、丈が膝まで位の草原だつた。そして、それが石狩川の堤に沿つて並んでゐる雜木林につづいてゐた。そこからすぐ、石狩川だつた。幅が広くて底気味の悪い程深く、幾つにも折れ曲つて、音もさせずに、水面の流れも見せずに、うねうねと流れてゐた。
小林多喜二『防雪林』 より

2010年12月6日月曜日

Smashing Pumpkins - Today



Today is the greatest day        
I've ever known             
Can't live for tomorrow,         
Tomorrow's much too long       
I'll burn my eyes out
Before I get out

I wanted more               
Than life could ever grant me     
Bored by the chore           
Of saving face              

Today is the greatest day       
I've ever known            
Can't wait for tomorrow        
I might not have that long       
I'll tear my heart out         
Before I get out

Pink ribbon scars             
That never forget            
I tried so hard            
To cleanse these regrets       
My angel wings           
Were bruised and restrained     
My belly stings             

Today is                
Today is               
Today is              
The greatest day          

I want to turn you on         
I want to turn you on        
I want to turn you on         
I want to turn you           

Today is the greatest         
Today is the greatest day      
Today is the greatest day      
That I have ever really known 

2010年12月5日日曜日

本を読むこと、図書館の本を早く返すこと、冬休みの貸し出しのこと

1、すずめのおくりもの

■「すずめのおくりもの」というお話を知っていますか。ある朝、働き者のお豆腐屋さんのところに、たくさんのすずめたちがやってきました。小さいお豆腐を一丁作って下さいといいます。やさしいお豆腐屋さんと、かわいいすずめたち。国語の教科書に載っている「きつねの窓」の作者、安房直子さんが描くもう一つの物語です。私たちのすぐそばにありそうなひにちじょう風景の中にそっと入り込んだ不思議な、そしてやさしい時間。ほっと心が温かになるお話です。忙しい日常に疲れた大人にもオススメです(笑)。
■この本は、図書館司書の大山先生にお願いして、市立図書館から借りていただきました。この本、現在、絶版のようで、Amazonでは、中古で五千円近い値がついています。すずめのおくりものは、ありませんが、学校の図書館には、他に何冊か安房直子さんが書いたお話があります。司書の大山先生に尋ねてみて下さい。
■このように双葉小の図書館では、司書の大山先生にお願いをすると、本を探していただけます。今回も「大山先生、授業できつねの窓って学習しているのですが、図書館に安房直子さんの書いたお話ありませんか?」と尋ねたらさっと教えていただけました。双葉小にいると当たり前に思っているかも知れませんが、これは、特別なことだと思います。有り難いですね。


2、図書の返却と冬休み図書の貸し出し

■明日から来週の火曜日(十四日)までは、図書の返却期間です。本は借りられません。
■現在、図書館から借りたままの本がある人は、必ずこの期間のうちに返すようにして下さい。実は、夏休み前から本を借りたままの人もいます。ご家庭で、確認をお願いします。
■冬休みの貸し出しは、十五日から二十四日までです。一人五冊まで借りられます。


3、最近読んだ本

■私が小学校のころ住んでいた北広島の団地の近くに住民センターという場所がありました。当時、そこの図書室に通って、よく本を借りていました。図書室の方々と顔なじみになるくらい通いました。今の自分のものの考え方や性格は、大人になってスイッチしたものではなく、読書の積み重ねによるものだと分析しています。その人の持つ世界や価値観を広げるのに読書は、大切な役割を果たすものだと考えています。
■しかし、難しいことばかり考えていると疲れてしまいます。お坊さんの引用が多い私ですが、楽しむのための読書では、推理小説が好きです。今、読んでいるのが、歌野晶午「舞田ひとみ一四歳、放課後ときどき探偵」という小説です。本書は、語り手の中学生が通う学校やその周囲で起こる事件と謎に十四歳の中学生が挑むという内容です。 実は、こんな小説の中にもちょっとした生きるヒントが隠れていたり、いなかったり。要は、私たちの読み方次第です。

2010年12月4日土曜日

アンテナ

1、アンテナ
■茨木のり子さんという詩人がいます。茨木さんは、1926年に生まれ、その青春時代を戦争中に過ごされ、2006年に亡くなっています。戦後、たくさんのみずみずしい詩を発表されました。
■茨木さんの詩に「汲む」があります。私の大好きな先生から教えていただいた詩です。教室での先生はみなさんにどう見えているのでしょうか。自信たっぷりに見えますか。自分たちとは違う「大人」に見えますか。サインのキャッチは難しくて、うまくいかないことも多くて。大丈夫かしらと不安に思ったり、自信をなくしたり。そんな風に毎日、ゆれながら、悩みながら教室に立っています。きっと皆さんと同じです。アンテナを折ってしまうと楽なのでしょうか。でも、やっぱり「震える弱いアンテナ」を持ち続けたいなと思います。

  汲む          茨木のり子

大人になるというのは
すれっからしになることだと
思い込んでいた少女の頃
立居振舞の美しい
発音の正確な
素敵な女のひとと会いました
そのひとは私の背のびを見すかしたように
なにげない話に言いました

初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始るのね 墜ちてゆくのを
隠そうとしても 隠せなかった人を何人も見ました

私はどきんとし
そして深く悟りました

大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子供の悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇  柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと……
わたくしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました
たちかえり
今もときどきその意味を
ひっそり汲むことがあるのです 

2、トイレの神様
■後期、掃除区域が入れ替わり、トイレ掃除も六年教室前から四年教室前になりました。トイレ掃除の点検は、楽しみな時間です。なぜかというと、とてもきれいに掃除をしてくれているからです。床を雑巾でふいたり、使った掃除用具をきちんと整頓していたり。それらを黙って黙々とやるところが、いつもいいなあと感心しています。トイレの神様もきっと見て下さっていることでしょう。

2010年12月3日金曜日

わかりやすい文章を

1、わかりやすい文章

■わかりやすい文章を書く力は、大切です。作文だけでなく、話すときの土台ともなります。次の文章は、社会科で書いた、なな美さんの作文からの抜粋です。この作文を例に、いくつかのポイントを解説します。
 一つ目は、日中戦争のことです。そのころの日本は、人の気持ちを無視して、ただ領地を広げたいがために、戦争の種を中国に仕掛けました。そして、沢山の人を戦争に行かせ、沢山の人を殺しました。私がそこで思ったことは、…。
■まず、「主語」を入れることです。「一つ目は」「日本は」「私が思ったことは」のように主語を入れることで動作主が明らかになるので、わかりやすい文章になります。
■次に、「事実」と「それに対する考え」を入れていることです。なな美さんの作文では、戦争で何が起きたかを記述した後に、「私が思ったことは、」と自分の考えを付け足しています。事実だけでは、その人がどう考えているのかが伝わりませんし、考えだけでは、何があったのかが分かりません。両方が入ることで、読む人にわかりやすい文章になります。
■最後に、適切な「表現技法」を使うことです。なな美さんの作文にある「戦争の種」は、戦争のきっかけが外から持ち込まれたことを読者にイメージさせるのに良い「比喩」です。比喩以外に
オノマトペや会話など表現技法を適切に使うことでわかりやすい文章になります。
■主語・事実+考え・表現技法これらを適切に使うことでわかりやすい文章が書けます。練習をする機会は、国語以外にも、算数や社会、理科などにもあります。例えば、授業の振り返りの記述の時間。何を学んだか。それについてどう考えたか。などを三、四文で書くことでトレーニングをしてみましょう。


わかりやすい文章を書こうと思ったとき、主語をしっかりと入れることはやっぱり大事だと思います。
例えば、この通信を書いているときにも、「主語が」ということを言いたいので、意識して主語を入れるようにしていました。
すると、書き手の私自身、その文、その文で伝えたい中身がはっきりするのです。
当たり前のことなのですが、やってみて改めて自覚されます。
ということは、頭でわかっていてもやらないと本当のところはわからないのだろうということです。

2010年12月2日木曜日

将来の夢

1、将来の夢について

■先日、卒業アルバムの案内が出ました。アルバムに収録される文集の作文も、「将来の夢」「未来の自分への手紙」といったテーマで書かせています。このテーマについて自分のことを振り返ってみますと、小学校の頃の夢は、学校の先生になることでした。きっかけは二つあります。
■まず、祖父の影響です。小さい頃、一緒に住んでいた祖父は、教員でした。祖父は、物知りで色々なことを教えてくれましたし、何をきいてもきちんと答えてくれました。また、いつも冷静で穏やかな人でした。教壇に立つ祖父を見たことはないのですが、祖父のようになるために同じ職業に就きたいと思ったのです。
■次に、小さい子の面倒を見ることが好きだったことです。小学生のころ住んでいた家の近くには、自分よりも年少の子がたくさんいました。そんな子たちとよく遊んでいて、近所の方から「和彦君といたら安心ね。」などと言われることがよくありました。とてもうれしく、誇らしく感じたことを今でも覚えています。「そうか、子供の面倒を見るのが得意なんだ。では、そんな仕事が自分には、あってるのかもしれない。」これも教師を志した大きな理由の一つです。
■そして、夢の実現のために、25Mを泳げないと教員になれないと知るとスイミングスクールに通い。スキーが必要と分かれば嫌々冬の山に出かけるなどの努力を重ね今に至ります。音楽だけは、最後まで苦手だったのですが、大学生の頃、ピアノ教室に通いバイエルから練習しました。実際に教壇に立つようになって、祖父のようになれているかは、わかりませんが、子供たちの人生の大切な一時期に関わることのできる素晴らしい仕事だと日々感じています。
■ご家庭で、子供たちと将来の夢について話をすることはありますか? 夢の実現のためには小さな練習の積み重ねがとても大切です。「○○は将来、何になりたいの?」そんな話から日々の生活を見直すことも大切かも知れません。


2、「練習」ということについて

■教室で行う全てのことは、世の中に出たときのための練習だ、というようなことを子供たちによく話します。「練習」について、フランスの哲学教師アランは次のように定義しています。
『リアルな行動に向かって自分を準備することを目的とする行動。ぼくはソナタが弾けるように音階練習をする。ぼくは戦うことができるように剣術を学ぶ。ぼくは英語の先生以外の人とも話せるように英語を学ぶ。練習の意味するところは、一つの運動を他のすべての運動から区別することによって、むつかしい点を分けるということである。(中略)一つの円を描こうと思ったからといって、円が実際に描けるわけではないのだ。したがって、練習は欲するわざの大部分を占めている。』
■学校で行うことのほとんどは、社会の様々な事柄につながる練習です。漢字も計算も友だちとの仲違いもです。無駄とか、意味がないとか言って切り捨てるのはもったいないことです。

2010年12月1日水曜日

恕だったり利他だったり席替えだったり



1、雪に書いた「恕」の文字
■この写真は、中庭からグランドへ行く途中に書かれた大きな「恕(じょ)」の文字です。大きさが伝わりにくいのが残念です。丁度、六年二組の教室から見ることができます。数名の男の子たちが昼休みに書きました。雪が溶けて、文字が消えてしまう前に記念に写真に撮っておきました。

2、利他(りた)=他に利する
■先日、教室で「利他」のことを話しました。「利他」とは「利己」の対義語で、自分のことよりも他人の利益や幸福を考えることを言います。「情けは人のためならず」という慣用句がありますが、利他の精は、必ず自分の幸福にもつながるものだと考えています。
■利他という言葉は、前北海道教育大学函館校教授 野口芳宏先生から教えていただきました。野口先生曰く、利他の精神を具現するには、まず、人に迷惑をかけないこと。次に、人に安を与えること。そして、人に喜んでもらうことが大切だそうです。なるほどと思います。この逆をいくと利己的になるわけです。
■利他について考えると、根っこのところでは、「恕」だったり、「愛語」だったりといったことに通じるものがあります。孔子が生きていたのが今から約2500年前、道元禅師が約800年前です。これらの言葉が、これほど前から残っているのは、それだけ大切であるとともに、それを為すことが難しいからだとがわかります。ですから、教室の子供たちがすぐにできないのは、当たり前なのです。学校はよりよい自分になるための学びの場です。少しでも近づけるように毎日を過ごしています。自分自身への自戒の意味も込めて通信に残しておこうと思います。


3、席替えをしました
■教室では、毎月席替えをしています。これは、せっかく同じクラスになった仲間たちと少しでもたくさんふれあって欲しいという願いからです。人が何を考えているかは、黙っていてはわからないものです。自分が小六のころ、大嫌いな友達がいました。大嫌いなのですから、当時は、友達とも思っていませんでした。ところが、彼と話をするようになるととってもいいやつだとわかり、その後は、中学・高校でも同級生となりとても仲良く過ごしました。結局、いやなやつと思っていたのは、私の勝手な思い込みで、その子の本質に気づいていなかったのです。相手を受け入れようという気持ち、そしてそのきっかけが大事なのだと思います。小さなことですが、席替えもそのきっかけになればと考えています。