2009年6月30日火曜日

いいこと四面鏡

1、四面鏡
▼学級では学級活動や道徳の時間に子供たちどうしの心のふれあいや思いやりの心について考える学習活動に取り組んでいます。自分を見つめ直し、自己肯定や他者への寛容などを学ばせることがねらいです。
▼そのような活動の一環として「四面鏡」というアクティビティ※を行いました。四面鏡は「すすんで係の仕事をしていた」「親切にしてくれた」「ふんいきを盛り上げてくれた」等の項目(全部で二〇あります)について、ワークシートを使って、教室の友達とお互いに評価しあう活動です。面と向かって言うのは照れくさいようなことも、こうした活動の中でなら素直に伝えることができるものです。
▼たくさんの子供のこの活動を繰り返しているとみんなに共通して評価されている項目やどうしても評価されない項目が見えてきます。自分自身を客観的に評価するというのは難しいものですが、他人の目をかりることで自分を見つめ直すこともできるのです。



▼最初は恥ずかしそうにやっていた子供たちも時間が経つにつれて積極的になりました。子供たちの感想を紹介します。

◇面白かったし、みんながチャレンジする気持ちがあるってことを分かってくれてよかったです。(T)
◇M君とKちゃんからとても認められていたので、こんなに信用されているのだと、嬉しかったです。(S)
◇自分はぜんぜんダメだと思ったけど、友達に聞いたらけっこうよかった。(Y)

▼思いは言葉にしないと相手に伝わらないものです。学級の仲間が自分のことを見てくれている、評価してくれていることを実感できるおもしろい活動だと思っています。また機会をみて取り組ませようと考えています。きっと今回とはまた少し違う結果が出ると思います。
▼自分が小学校だった頃を振り返ると、友達同士の関係作りを行うような遊びや学級行事がよくあったように記憶しています。土曜日に学校があったせいもあるのか、教室はいろいろな経験ができる場所だったように思います。現在、学校現場では様々な取り組みがポジティブリストで追加された結果、忙しくなっています。子供たちには学ぶ楽しさ、学校の楽しさを伝えたいと常々考えています。

※四面鏡は構成的グループエンカウンターのアクティビティとして紹介されています。http://www.toshobunka.jp/sge/index.htm

2009年6月29日月曜日

みなと見学会と参観日



1、みなと見学会
▼先週、石狩市立若葉小学校の四年生は、社会科の見学学習で石狩湾新港へ出かけました。▼見学は船の上から行いました。普段、見ることの無い景色に子供たちは歓声をあげていました。船の上から眺める石狩湾新港はとても広く、外国からの荷物がたくさん届いていることがわかりました。▼新港について、社会科で詳しく学習するのは九月下旬からです。今回の体験を思い出しながら学習を行いたいと考えています。▼学校に戻ってから、子供たちには礼状を書かせました。見学の雰囲気が少しでも伝わればと思い、二人の作文を転載します。

①防風林の木はすごく緑になってきました。まるで海みたいです。今日はすごく暑かったですね。船に乗らせてもらってうれしかったです。
②船は楽しかったです。船に乗っていると水しぶきが顔にあたり、風がぼくの髪をなびかせていました。
③今日はいろいろな港のことがわかってすごくよかったです。港に紙をつくる材料がたくさんありました。びっくりしてしまいました。ずいぶん昔からこんな港が作られていたと聞いて、びっくりしました。そして、
④今日は船に乗らせてくれて、ありがとうございました。そして、ずーっと長生きしてください。(K)

①暑い季節ですね。今日は、暑い中、船に乗せていただき、ありがとうございました。
②今日は船に乗ってすごく涼しくて、もう一回乗ってみたかったです。今日は本当にありがとうございました。
③船からは港にたくさんのチップが積まれているのが見えました。あの全部を売ったら、何円するのかなと考えていました。石狩湾新港に来て、とてもいい気分になりました。
④今日は、暑い中、とてもありがとうございました。風邪をひかないで、生活してください。海に落ちないでくださいね。(T)

2、参観日の授業
▼先週の木曜日、石狩市立若葉小学校では中学年の参観日でした。参観日は道徳の授業を行いました。三人のお母さんのエピソードから親の子供への無償の愛を考えさせる内容でした。子供は親からのたくさんの愛を受けて育っています。そのことをあらためて感じて欲しいと考えた授業でした。

◇私は三人目のお母さんの話を聞いて、びっくりしました。でも、それだけ、子供思いなんだなあ、と、思いました。一人目のお母さんは最初、こわいと思いました。でも、話をいっぱい聞くと、子供のために怒っているんだなあ、と思いました。二人目のお母さんは、子供をよく育てたなあ、と思いました。私は、目が見えないのにコンテストにも優勝して、すごいなと、思います。私は、ピアノをやっています。けれど、こんなにできません。私は目も見えます。けれど、こんなにすごいのはできません。もし、大人でもピアノをやっていたら、こんなにすごい曲をひけたらいいです。私のお母さんはこわいです。だけど、すごく、すごく、いいお母さんです。私を、育ててくれたのが、うれしいです。(T)

2009年6月28日日曜日

善いこと

▼先日、地域の方から学校に嬉しいお電話がありました。四年生の子供たち四人が防風林でゴミ拾いをしていたというのです。誰に言われたわけでも、褒められたいからでもなく、自主的に行った活動が素晴らしいです。担任として誇りに思います。学級の中でも紹介し、善い人になろう、と伝えました。
▼また、地域の方が子供たちを見守り、何かあったら声をかけてくださる、というのも大変有り難いことです。子供たちを見守る温かな地域の目を感じました。嬉しいことです。

2009年6月27日土曜日

全国一位!

1、全国一位
石狩市立若葉小学校の四年生でローマ字入力技能検定サイト、キーボー島アドベンチャーに取り組んでいます。
http://kb-kentei.net/

そのサイトの中の全国ランキングというコーナーで四年生のM君が六月に入り全国一位になりました。「都道府県名クイズ -関東-」ランキング 四年生の部です。現在(6月27日時点)も一位を維持しています。また、N君も同じランキングの九位につけています。これは素晴らしい快挙です。



四年生の子供たちには良きライバル、目標として二人と競い、磨き合って欲しいと思います。

追伸
四位につけている若葉小の「のんちゃん」は四年生の保護者です。
お母さんも一緒に頑張っているのです!(笑)

運動会の作文

1、運動会の作文
▼石狩市立若葉小学校最後の運動会が終わりました。どの子も「最後」意識してがんばっていました。終了後、運動会の作文を書きました。今回は「書き出しの工夫」、「オノマトペ(擬音語・擬態語など)の使用」がテーマです。今回は題材が実際に自分が体験したこと(運動会)だったので、よく書けている子が多かったです。その中から今回は二人の作文を紹介します。

「プログラム十五番、四年生による中学年リレーです。」
 私はドキドキしていた。すると、後藤先生が、
「早く並べ」
と言った。私は早く並んだ。入場後、応援歌がかかった。そこで、私は大きく手を振った。応援歌が終わった。ついに、中学年リレーがはじまった。
 最初は紅組が勝っていたけれど、途中で白組にぬかされた。とうとう、四年生にバトンが来た。私はドキドキした。拓也君からバトンをもらった。次にバトンを渡す人は颯君である。私が走っている途中にくつがゆるくなったが、最後まで走りきった。最後のアンカーにバトンが来た。黄色、白、ピンク、赤の順番が並んだ。結局、赤組は負けたけれど、心がワクワクする一日だった。
 運動会が始まる前まではいろいろな、きびしい練習をいっぱいした。私が練習で一番がんばったことはリレーである。練習の時に、「運動会では赤が勝つ!!」と思っていたけれど、本番の運動会では赤組が負けた。だが、年に一度の運動会だから、すごく楽しい一日だった。来年は双葉小学校になるけれど、運動会では勝ちたいです。
(H)
★「ドキドキ」「心がワクワク」等、心の描写が工夫されています。(山本)

「ねぇねぇ、ひびきちゃん、きんちょうしない?」
 私はひびきちゃんに話しかけた。
「うん、すっごくきんちょうする。」
「まだ、この組で走ったことないからねー。すごく、きんちょうするんだよ。」
「うんー。」
ひびきちゃんも私と同じ気持ちだった。
 タイムを計った時は、いっつも三位、どうしても太響君と、玲音君にはかなわかなかった。すごくくやしかった。
 いよいよ本番。次が私の番だ。初めてあった人にあいさつをする時みたいに、心がドキドキした。
「よーい。」
 校長先生がいきおいよく言った。心臓が太鼓の音のようにドンドン鳴った。バーン。ピストルの音が聞こえた。急いで走った。
「八十メートルは長いよー。」
私の口から小さな声がもれた。でも、一位をとれるようにがんばった。ゴールにとどいた時、私の手は汗だらけ。心臓は象の足音みたいにドンドン鳴っていた。
「白いの一位。」
 後藤先生の声が聞こえた。学校では一位をとったのが初めてなので、心の中ではパーティー状態だった。
 家に帰ってから、ビデオでとったのを見てみると、私だけ、手と足がそろっていて、家族みんなに笑われました。
(T)
★作文中の会話の使い方が場面の様子を伝えるのに効果的です。(山本)

▼作文は自分の感じたことを表現するだけでなく、考えを整理するのにも役立つ大切な学習です。作品の見栄えよりも多作による経験値を積ませることに重点を置いて取り組みます。▼いよいよ紅葉山小学校との統合(平成22年度開校、石狩市立双葉小学校)に向けた校舎の改修工事に伴ってクラブ活動の日程が変更になりました。

2009年6月21日日曜日

お母さん方と

昨日の夜は担任する若葉小学校、四年生のお母さん方と懇親会でした。
夜の会ということで、バスで石狩市へ移動しました。
石狩行きのバス停で並ぶ人たちを眺めることはあっっても、バスで石狩市に行ったのは、実は昨日が「初」でした。
前任校でも六年間、石狩市の学校に勤めていたにも関わらず…。
バスもたまにはよいものです。何より運賃が安いですし!

懇親会には、家の用事で忙しい中、たくさんのお母さんの出席をいただきました。
有り難いことだなあ、と感じるとともに、学年の結束力の強さをあらためて感じました。
経験上、保護者の結束力の強い学年に悪い学年はありません。
そこをいくと四年生は安心です。
よい学年を担任させてもらっています。

夜の懇親会をご一緒してお母さん方と少しお近づきになれた気がします。
参観日や家庭訪問のような「公」のおつきあいとはまた異なるコミュニケーションも大切ですね。
さて、ようやくお仲間に入れた感じでしょうか。
本当は、まだまだ、と思ったのですが娘が小さいので、お先に失礼しました。
心から楽しい時間でした。またの機会、お誘い下さい。(笑)

2009年6月20日土曜日

統合に向けた児童交流

勤務校の若葉小学校は今年度限りで閉校が決まっています。
来年度は同じく閉校が決まっている隣の紅葉山小学校と統合し、
双葉小学校となります。
現在、統合に向けた準備作業や校舎改修工事の計画が進行中です。

個人的には新しいにおいのする学校に勤めたことが無いので、
新築ではないにしろ、校舎内がいろいろと変わることが楽しみです。

昨日は統合に向けた児童交流の打ち合わせのため、紅葉山小学校へ出かけました。
紅葉山小学校では7月に行われる児童交流の内容を同じく四年生の担任の先生と打ち合わせを行いました。

打ち合わせではなんとも偶然にも両校の四年生児童を足すと男女が同数になることが判明。
だからどうということでも無いのですが、運命を感じます。(笑)

この交流行事でお互いのことを知り、来年の統合に向けて子供たちの気持ちが盛り上がるとよいなと感じています。
こうしたイベント以外にも普段からお互いの顔が見える交流を進めたいなあと思っています。
TV会議なんかも簡単な時代ですから、方法はいろいろありそうです。

統合事業など滅多に経験できるものではありません。
すごいタイミングで異動できたものだと思います。
双葉小学校、きっと、いい学校になりますよ。

2009年6月19日金曜日

朝のあいさつ

毎日、学校に出勤すると、子供たちからの元気な、
「おはようございます。」の挨拶があります。
声の大きさだけでなく、笑顔もかわいらしいので、毎日、
「ああ、ステキな子たちだなぁ。」と思っています。
自分の担任している学年以外の子も私にさわやかなよい挨拶をしてくれるので、
一日を気持ちよくスタートすることができます。
昨日(6月18日)も玄関に入るなり、3年生の女の子が気持ちのよい挨拶をしてくれました。

教育者・哲学者の森信三先生はしつけの三原則として次のことを言っています。

一、朝、必ず親に挨拶をする子にすること。
一、親に呼ばれたら必ず、「ハイ」とハッキリ返事のできる子にすること。
一、ハキモノを脱いだら、必ずそろえ、席を立ったら必ずイスを入れる子にすること。

挨拶がきちんとできる子は、家庭でも親御さんがそのことを意識されているのだろうなあ、と想像されます。
よい家庭で育っている子たちが多いのでしょうね。

2009年6月14日日曜日

石狩市立若葉小学校について

四月に若葉小学校に赴任してから二ヶ月がたちました。
毎日、とても楽しく過ごしています。
教室に行って授業をするのが楽しみです。

前任校も楽しかったのですが、若葉小も楽しいです。
よい方向に変わりつつある印象を受けています。

来年度は隣の紅葉山小学校と統合が予定されており、
双葉小学校となります。
統合後を見据えた動きも進んでいます。
ハード面も今以上に充実するでしょう。

子供たちや保護者の方の中には統合を不安に思っている方もいるかも知れませんが、内部にいる人間として言わせてもらえば、
現在、若葉小と紅葉山小に通っている子はラッキーだと思います。

数年後には生振小のキャッチフレーズでもあった、
「子供たちが通いたい、保護者が通わせたい」学校になること間違いなしです。
すっごく楽しみです。

2009年6月9日火曜日

ノートの取り方

1、ノートの使い方
▼「算数のノートはゆったりとつかいなさい。」四月から子供たちに何度も言ってきた言葉です。▼算数はノートをゆったりと使い、丁寧に数字を書くことで勉強ができるようになります。反対に雑な字でノートにびっしりと数字で埋めても算数ができるようにはなりません。▼左は私が以前受け持っていた子供のノート(学年は六年生)です。一目で計算の様子が分かりますね。さて、誰のノートでしょう?















▼ノートをきれいに書くためのポイントがいくつかあります。特に、以下のポイントについては「向山型算数」でよく言われるものです。向山型算数についてはネットで検索するとその考え方や実践を見つけることができると思います。

一、文字は、鉛筆で大きく、濃く書く。
二、日付・ページ数・タイトル・問題番号を必ず書く。
三、隣の問題との間は、指2本分ある。
四、上の問題との間は、1行以上あける。
五、数字は、位をそろえてきちんと書く。
六、補助計算は、大きく堂々と書く。
七、文章題は、計算・式・答えの3点セットで書く。
八、線をひくときは、ミニ定規を使う。

▼子供たちのノートを見ていると、これらのポイントをしっかりと守ってノートをとっている子たちがいます。▼例えば、Hさんは筆算の時でも線を引くときは定規を使っています。Kさんはノートのマス目を上手に使い、位をそろえて書いています。Y君は隣の問題との間をきちんとあけて計算をしています。▼ここで紹介した以外にもよく書けているなあと感心する子供は多く、一年生から三年生までに指導されたことをきちんと実践している様子がうかがえます。▼しかし、急いでいる時に文字が乱れる子が多いことも事実です。6月、7月は落ち着いて学習に取り組むことを目標にして、夏休みまで基本的なノートの使い方をしっかりとマスターさせたいと考えています。

2、暗唱をはじめました
▼今年、国語の時間を中心に詩文の暗唱に取り組ませます。一回目は金子みすゞさんの「土」という詩です。真藤君が一番に合格しました。今週中に全員が合格できることが目標です。

「土」 金子みすゞ
こッつんこッつん
ぶたれる土は
よいはたけになって
よい麦生むよ

朝からばんまで
ふまれる土は
よいみちになって
車を通すよ

2009年6月6日土曜日

人間関係信頼残高

1、 人間関係信頼残高
▼今月は道徳や学級活動の時間の中で友達とのつきあい方やお互いが気持ちよく過ごすために何が必要かを考えさせています。▼昨日の道徳の時間は「人間関係信頼残高」について考える授業を行いました。▼みなさん、それぞれ、銀行に口座を持っていることと思います。銀行口座には次のような特徴があります。

・数が限られている。
・途中で解約できる。
・引き出さない限り、途中で預金がなくなることはない。

▼人間関係の間にも「口座」のようなものが作られます。ただし、貯まるのはお金ではありません。「信頼」です。

・出会う人、全てに口座ができる。
・永久に解約できない。
・預け入れしていても、自然と消えてしまうことがある。(マイナスになることも!)

▼様々な人と出会い、一緒に何かをする際、「信頼」はとても重要なものです。授業の中身を少し紹介します。

2、授業の中身
▼まず、子供たちと、『「信頼」があるとどんな良いことがあるか』、を考えました。例えば、信頼されていると困ったときに助けてもらえる、友達に優しくされる、いつも笑顔でいられる等が挙げられました。また、『「信頼」がないとどんな困ったことになるか』、も考えました。信頼が無いと友達が離れていったり、失敗したときに助けてくれる人がいなかったりすることが予想されました。他人からの「信頼」は目に見えないのですが、とても大切で価値あるものだということを確認しました。▼そこで、次は班で「信頼残高」を増やすためにどんな行動をとったら良いかを話し合いました。子供たちからは次のような意見が挙がりました。どれも信頼残高を増やすのに大切なことです。

・優しくする。
・嘘をつかない。
・困っている人がいたら助ける。
・友達を裏切らない。

▼終わりに、これまでの自分を振り返り、今後信頼残高を増やすために、減らさないためにどう生活すべきかを考えさせました。ご家庭でも「信頼残高」について話題にしてみて下さい。
◇今まで、ちょっと築けていた。これから、大切な人にだけじゃなく、いろんな人に信頼されるようにがんばりたい。(S)
◇今まで僕のことを信頼してくれている人がクラスで6人。クラス以外にもいる。これからは豊かで焦らず、普通に人に信頼される人になりたい。雲を見ながら…。(H)
◇今までを振り返って、友達に信頼されているかはわかりません。これからは約束を守ってケンカをしないで、悪い言葉を言わないようにします。(R)
◇今までのことはわかりませんが、これから、信頼されたいし、いろんな人と仲良くしたい。(R)
◇信頼残高のことを考えると、今までは少し減らしていたかも知れません。これからは、海里ちゃんみたいに人を大切にしたいです。これから、信頼を増やしたいです。今も信頼してくれている人にはもっと信頼を増やしたいです。(M)


参考文献: 7つの習慣―成功には原則があった! (単行本)
スティーブン・R. コヴィー

2009年6月5日金曜日

「型」を教える~国語・作文

1、作文の型について
▼国語の時間に作文の学習を行いました。子供たちにいきなり作文を書けと言っても書けません。何を書くのか、どのように書くのかがわからないからです。ちょうど、社会科の見学学習で消防署に出かけたところでしたので、これを題材に作文を書くことにしました。▼今回の授業では「はじめ・なか・まとめ・むすび」の作文の型を指導しました。▼「型」と聞くと、形式張った中に押し込める、という印象を持たれる方がいるかも知れません。武道の世界に「守破離」という考え方があります。守破離とは物事を習得する上での段階を三つに分けた言葉です。▼「守」とは師匠の教えを正確かつ忠実に守り、基本の作法や礼法、技法を身に付ける、いわば「学び」の段階をいいます。▼「破」とはそれまで身に付けた技や形をさらに洗練させ、自らの個性を創造する段階をいいます。▼「離」とはさらに前進させて自らの新しい独自の道を確立させる最終段階のことをいいます。▼学習もこれと同じです。自己流でめったやたらにやっても上達しません。最初に身につけるべき「作法や礼法、技法」というものがあります。それを身につけた上で自分の個性を発揮する段階があるのです。▼教育とは最終的に子供たちが教師の指導を離れて自分で考え、進むことができる「離」の状態を目指すことです。そのために「守」の指導を丁寧に行うことが必用だと考えています。▼しかし、そうは言っても子供たちが書いた作文はどれもその子らしさが表れています。文章からその子の顔が浮かぶような内容になりました。

2、子供たちの作文
▼子供たちの書いた作文から笠原さんと佐藤さんの作文を紹介します。見学したこと、いただいた資料から読み取ったことを上手くまとめています。

①私たちは、先週の木曜日に社会見学で消防署に出かけました。見学でわかったことをしょうかいします。
②まず、水槽付ポンプ車です。水槽付ポンプ車は、水が3000リットルつんでいるそうです。私は、水がない所でも安心だと思いました。
③次に、火事の様子です。平成20年に石狩市内でおきた火事は32件で、そんがいは、約3500万円だそうです。また、ケガをした人は5人で、亡くなった人は1人だそうです。私は、火事をなくするにはどうしたらいいのだろうと思いました。
④私は、24時間、こうたいにやっているのは、とてもたいへんだなぁと思いました。学校の時間でさえたいへんなのに、消防士さんは、すごいです。私にはできません。
⑤消防士のみなさん、おいそがしいのに、私たちに消防の中や車を見せてくれて、ありがとうございます。いたずら電話は、ぜったいにしません。一人で火遊びもしません。私は火事をおこなさいようにします。将来は、消防士さんになりたいです。これからも、元気でがんばって下さい。(K)

①私たちは、先週の木曜日に社会見学で、消防署に出かけました。見学でわかったことをしょうかいします。
②まず、化学車です。化学車は油などの、水で消えない火事を消すそうです。そのために、いろいろな薬剤が入っているそうです。ふだんは、なかなか走っていないので、一度走っている所を見てみたいです。まるで、走る研究所のようでした。
③次に、消防隊の服です。消防隊や、化学車隊は、炎から身を守るために、特別な服を着ます。有害なけむりをすわないように、空気呼吸器をつけます。私は、上の服だけ着ました。でも、とても重かったです。
④見学をして、私は、化学車や、はしご車は、大きいと思いました。大型水槽車はとても大きかったです。一万リットルも入るなんて、すごいと思いました。
⑤今まで、消防署の仕事って、どんなことをするのか、よくわかりませんでした。でも、消防署のみなさんが、ていねいに教えて下さったおかげで、よくわかりました。ありがとうございました。これからは、火事をおこさないように気をつけます。あぶない仕事ですが、けがをしないように気をつけて下さい。この間は、ていねいに説明していただいて、ありがとうございました。火遊びをしている人がいたら、止めるようにします。(S)

2009年6月4日木曜日

元気の出る言葉かけ

1、元気の出る言葉かけ
▼総練習も終わり、いよいよ次の日曜日は運動会の本番です。紅白に分かれて互いに力を競い合いますが、勝ち負けに関わらず、自分の精一杯の力を発揮して欲しいと思っています。運動会は勝ち負けがつきものです。しかし、勝った、負けた以上に大切なことを学ぶ良い機会でもあります。子供たちにはより大切なことを学んで欲しいと考え、今週の道徳の授業をセットしました。▼火曜日の道徳の時間に「元気の出る言葉かけ」という学習をしました。人と関わって生きていく上で、思いやりの気持を持つことは人間らしく生きるためにも是非とも必要なことです。四年生の子供たちには相手の立場や気持を考えて、自分がどのように行動したらよいかを判断する温かな心づかいができるようになって欲しいと考えています。

2、道徳の授業で
▼授業では、まず、読み物資料の中に出てくるサッカーの試合でミスをした子供の気持ちを考えて、どのような言葉かけをすれば、その子が元気を出すことができるかを考えました。次に、一人一人が考えた言葉を隣同士で役割交代しながらロールプレイを行い、体験してもらいました。そして、「これは気持が良かった。」または「元気が出た。」、という言葉かけをみんなの前で発表してもらいました。

3、子供たちの言葉
▼子供たちは自分たちの生活経験などから、いろいろな言葉かけを考えてくれました。何人かの言葉を紹介します。どれも、実際にかけられたら元気が出そうなものばかりです。

◆大丈夫だから、落ち込まないで、がんばろう。ラインサッカーはチームプレーだから、みんなの責任だよ。(S)
◆だれでもミスはあるよ。またがんばりましょ。(K)
◆だいじょうぶ、今日、一緒に公園でラインサッカーの練習やろうよ!!(H)
◆失敗は誰にでもあるから大丈夫だよ。(S)
◆今日はせいいっぱいやれよ。ぼくたちがカバーしてやる。(K)
◆ドンマイ!今度は必ず、うまくいくよ。人間、だれだってそういうことはあるよ!!(S)
◆気にすんなよ。これはチームプレーだよ。次だよ。次、次。がんばればいいんだよ。(T)
◆大丈夫だよ。みんなは、太郎君が大切な仲間なんだよ。さあ、いっしょにがんばろうよ。試合だって、絶対に勝てるよ。(T)

4、学習感想文から
▼最後に、これまでの経験や授業中の言葉かけを聞いて感じたことやこれからの生活に生かしたいことなどを書かせました。▼感想文の中で、次に紹介する3人のように友だちの良さを素直に認める子供がいました。感想文に取り上げられている友だちはもちろん。そこに気付き、認めることのできる3人も素晴らしいです。こういうことが学級全体に広がってほしいと願っています。

◆これから、落ち込んでいる人がいたら、元気になるような言葉をかけてあげたいです。バドミントンのダブルスで私がミスをしてしまって、負けたとき、友だちに、「次はがんばろうね!わたしもミスしたことあるから。」と言われたことがあったので、その時は、すごくうれしかったです。(K)
◆R君がこんなことを言っていました。「だいじょうぶだよ。人間、一回はミスをするから。これからがはじまりだよ。」と言ってくれました。もし、その子に言っていたら、その子はぜったいにうれしいと思います。(S)
◆Cちゃんの言葉はすごく元気が出て、いいと思います。これからはCちゃんみたいにやさしく元気の出る言葉をかけたいと思います。(T)

2009年6月3日水曜日

田植え

1、田植えを行いました
▼先週の金曜日に田植えを行いました。当日は天気もよく、田おこしの際にも来ていただいた石狩農業改良普及センターの方の指導のもと、楽しく田植えができました。▼泥に入るのを嫌がるかと思いきや、どの子も楽しそうに活動していました。生振小に続き、若葉でも田植えに縁があるようです。▼秋にたくさんの収穫が出来るように大切に育てていきます。▼授業後に書かせた子供たちの感想を紹介します。今回のテーマは擬音語を入れた感想文です。子供たちの文章から田植えの様子が伝わればと思います。

◇僕は最初に太響君と一緒に筋を入れる仕事をしました。その時、僕の足からネチョ、ズボッという音がしました。転んだ回数は四回です。稲を入れるときも沢山、音がなりました。楽しい一日でした。(M)
◇私が、歩いたとたんブチュ!!というおならみたいな音がしました。たまに、私がおならをしたと間違えられました。とにかく、ケガ無く、無事にできたのがよかったです。とってもおもしろかったです。また秋になったら、本山さんと会いたいです。(H)
◇ぼくは田んぼに入ったら、ネチョネチョしていました。そして、歩き出すとブッという音がしました。ぼくは苦笑いをしながら、やりました。とてもおもしろかったです。(K)
◇さいしょは楽しそうだと思っていたら、どろんこだらけになりました。どろをふんでみたらチャプチャプといいました。みんなが「おならみたい」っていいました。楽しかったです。すごくおもしろかった!!(Y)
◇最初は入るのがいやだったけど、入ったら、ブリブリッと音がしたので、おもしろいからずっと入っていました。とてもおもしろかったです。(T)
◇今日、田植えをしました。入るときにちゃんとできるかな? ようふくにあんまりつかないかな? とか、思いました。入ったとき、クチャクチャとか、グチョグチョとか、田んぼからなったので、ププッと、笑ってしまいました。何回も何回も歩いて、ときどきブシャッとかいうので、やっぱり笑ってしまいました。(O)
◇今日は田植えの時、中に入ると、ブチョ、ブチョといろんな音が出ていました。中には、足をぬくとき、ブチョッ、と出る人もいました。私は秋の収穫が楽しみだと思いました。(F)

2、宝を磨ける子供に
▼ところで、「宝物」という言葉はもともと「お米」を指していたことをご存じでしょうか。宝物について、薬師寺の山田法胤副住職は次のように語っています。▼「もともと、宝物とはお米を指していました。お米は「田から生じるもの」=「宝物」と呼んだのです。農耕民族は、田んぼを耕し、収穫して、また種を蒔いて、大事にそれを育てる。暑い日も、雨の日も風の日も、季節ごとの繰り返しを毎年、地道にコツコツとすれば飢え死にを免れる。『日本書紀』では、そんな作業を行う農民のことを「百姓(おおみたから)」と表現されています。」▼頑張る、努力する、あきらめずに粘るということは人生の宝です。誰でも面倒なことは避けたいし、楽な方向に進みたいものです。しかし、それでは自らを高めることはできません。そんな心を防ぐためにも子供たちには自分の中の「宝」を磨いて欲しいと思っています。